Hiroyuki Odake

経歴

  • 株式会社Logomix - Scientist

    ベンチャーでの合理的かつ機動的な経営体制のもと、グローバルなビジネスが可能な環境を求めてバイオインフォマティクス研究員として入社。日々国内外のステークホルダーとともにコミュニケーションしながらプロジェクトをマネジメントする機会が多分にあり、前職よりも業務の難易度は各段に上がったとは言え、楽しみながら仕事をしている。バイオインフォでは主にCRISPR-Cas9編集のオフターゲット解析やiPS細胞等のオミクス解析を担当。現状は解析業務以外のマネジメント業務が多く、プロジェクトマネジメントや小規模タスクフォースのリーダーを担当。CMCプロジェクトではゼロからの体制構築を実施中。

    • Whole Genome SequencingによるCRISPR-Cas9編集の特異性検討、iPS細胞のgenome integrity試験
    • RNA-seqによる免疫細胞の表現型解析
    • Amazon Web Servicesを使った解析インフラの整備
    • 大規模CMCプロジェクトのマネジメント、小規模解析タスクフォースのマネジメント
    • BDマネージャーとともに、市場調査・契約交渉等の事業開発業務
  • 株式会社ヤクルト本社 中央研究所 微生物研究所 - 副指導研究員

    ヤクルトの医薬品事業縮小・撤退が決定する直前にバイオインフォマティクス系の人材を集めた部署が新設、異動となった。もともと医薬品研究所在籍時にもNGS解析スキルを活かして腸内細菌叢データの解析方法の検討を行っていたこともあり、腸内細菌解析を主として解析パイプラインの構築を担当した。Microbiologyに関しては全く素人だったが、極めて多様なゲノムが一緒くたになったメタゲノムや未知の遺伝子が存在している状況は非常に新鮮で面白かった。それまでにヒト細胞で行っていたNGS解析はほとんどgolden standardなパイプラインがあったので教科書やブログポストを勉強すればどうにでもなったが、菌叢解析はgolden standardが無く、パイプラインを一から検討する必要があり、かなり苦労した。しかし、この時にcondaやshell scriptに関する知識が身に付き、必要に駆られてコンテナの技術を学ぶことができたので、自分のキャリアの中では極めて重要な二年間だった

    • マルチオミクス腸内細菌叢解析手法の確立による疾患-細菌叢の相関解明 - 実データを使った解析
    • シロタ株の胆汁酸耐性に関わる遺伝子の機能解析
    • Nanopore sequencerを用いた16S rRNA全長を用いた菌叢解析、16S rRNA DBの比較解析・シミュレーション
    • メタゲノム解析パイプラインの作成、ワークフロー言語を用いた自動化、バッチ処理
  • 株式会社ヤクルト本社 中央研究所 医薬品研究所 - 研究員

    学生時代に引き続き抗がん剤開発に取り組みたいと考え、新卒入社でヤクルトの抗がん剤研究開発部門に就職。もともとは培養がん細胞や免疫不全マウスを用いた薬理試験を主として担当し、新規スクリーニング系の構築や開発中化合物の活性評価・作用機序解析に取り組んでいたが、マイクロアレイ解析をきっかけにバイオインフォマティクスへの興味が強くなる。入社直後からR言語を独学で学び、最終的にはPython等も使ってバイオインフォ解析に取り組むようになった。当時ヤクルトにはバイオインフォ専門家がほぼ居らず、自社でオミクス解析ができる人材として評価いただいていた。しかし当時から合理主義であり、組織の中でうまくチームワークを発揮することの重要性にまだ気づいておらず、結構尖っていた時期も長かった。異動直前には医薬品事業そのものが縮小しており、プロバイオティクス研究を担当するようになった。

    • パスウェイ解析、ビーズ標識化合物を用いた作用機序未知物質の標的p97/VCPを同定
    • p97/VCP阻害活性の評価系(ER stress, Uniquitination)構築および、medicinal chemistチーム・ADMETチームとともに構造活性相関解析
    • 蛍光標識ペプチドおよびキャピラリー電気泳動装置を用いたHistone methyltransferase SETDB1のハイスループットスクリーニング系構築と解析コードの実装
    • 某大学との共同研究にて、セルトラッキングによる血管内皮細胞の遊走阻害剤探索
    • 某製薬との共同研究にて、cytotoxicityを指標とした化合物のTopoII阻害活性予測
    • 蛍光免疫染色法とハイコンテントスクリーニング装置によるタンパク質発現量スクリーニング系の構築
    • がん疼痛をターゲットとした創薬プロジェクトの立案、TRPA1阻害活性評価系の構築
    • 某製薬との共同研究にて、PROTAC化合物の活性評価・遺伝子発現解析/バイオマーカー探索・薬理安全性動物試験
    • マルチオミクス腸内細菌叢解析手法の確立による疾患-細菌叢の相関解明
  • 慶應義塾大学大学院 理工学研究科 生命システム情報専修

    大学から慶應大学、大学院も同慶応大学院へ進学。試験の成績は中か中の下くらいだったが、研究室所属後の卒論・修論評価は高かった。研究室はケミカルバイオロジー研究室に所属し、井本正哉先生・田代悦先生に師事し、分子生物学実験の基本やプレゼンの極意を叩き込まれた。研究テーマは「Mesenchymal-Epithelial Transition誘導物質の探索」

    • 文部科学省 化学療法支援班のEpithelial-Mesenchymal Transition阻害活性評価
    • 放線菌培養液からのMET誘導物質探索、単離精製
    • 新規MET誘導物質探索系としての薬剤耐性がん細胞株の樹立、薬剤耐性獲得に伴う自然発生的EMTの解析

Skills

  • Python

    Pandas, Numpy, scikit-learn, keras, pytorch, XGBoost, LightGBM, seaborn, matplotlib,... 好きなライブラリはpathlib。一時期pythonが好きすぎてシェルスクリプトは全てpythonで書くようにしていたが、生成AIの登場によりシェルスクリプト記述が容易になったためやめた。微生物・菌叢解析でのシミュレーションなどはPythonで実装した。小規模なプロジェクトや業務改善なら全てpythonで実装している。Pythonは今でもCpythonの進化が起きてるし、成長しているプラットフォームは未来に希望があって好き。

  • R

    dplyr, tidyr, magrittr, tidyverse, tidymodels, ggplot2, wgcna, DESeq2, EdgeR, Seurat,... 好きなパッケージはdplyr。tidyverseの黎明期からRを学んだため、自分のR力はRコミュニティとともに成長した印象を勝手に持っている。前々ブログでパイプの解説記事が軽くバズった。今でもRは息をするように簡単にデータ整形ができるので非常に好きではあるが、バッチ処理に向かないため、全てをPythonで完結させてしまうことが多い。統計解析をするならR一択だと思ってるけど、転職してから統計解析自体やる機会が減ってきてしまった。

  • AI

    Amazon Bedrock, GPT-3/4, Claude3 Opus, Gemini Pro, CommandR+, Lamma3 70B, whisper, perplexity, Poe.com,... GPT-3の登場以来、最高性能のものには常にキャッチアップしてきた。GPT-4登場時はプロンプティングの勉強もしたが、今となってはあまり必要性を感じていない。基本的にはメール作成・文書作成・コード作成に使用している。Amazon BedrockのClaude3 APIを使って議事録自動作成アプリケーションなどを作ったことあり。このブログもほぼほぼClaude Opusに指示して元テーマから改変を加えている。

  • Biology

    Whole Genome Sequencing, RNA-seq, scRNA-seq, ChIP-seq, ATAC-seq, Western Blotting, Realtime RT-PCR, DNA cloning, in vitro protein expression using E. coli, compound isolation & purelification, immuno-fluorescent staining, confocal microscopy, high-throughput screening, high-content screening, xenograft model mouse,... 好きな実験はハイコンテントスクリーニングの条件検討。実験は結構好きだけど、正直自分は実験には向いていないと思う。世の中のテクニシャンさんの方がはるかに実験上手。